蟹工船

久しぶりの本レビュー。
なんと、iphoneのi文庫というアプリでタダで読める!¥450で150冊以上の本(著作権切れ)を読むことが出来て、しかも追加でどんどんダウンロードできるし、しばらくはこの中の本の読書で楽しめそう。北大路魯山人の本とか、けっこう面白い。
で、小林多喜二の「蟹工船」を読む。文章が生きている感じがする。なんというか、生々しさに顔を背けたくなるような、そんな感じだ。けっこう内容が重いので、読んでいてキツイ感じがするのだが、昭和初期の重々しい雰囲気が良く出ていると思った。当時の地方農村の激しい貧しさと、一部成功者の裕福ぶり、その閉塞感が後の二・二六事件に繋がるという雰囲気。その暴発寸前の濃密な感じが生々しく感じられて、読み応えのある内容であった。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)