その8「三浦坂」

その後、谷中霊園方面へ向かう途中に、三浦坂という坂道を発見し、久しぶりに坂道部の活動も思いがけずに果たすことができた。

  • 名前:三浦坂(みうらざか)
  • 所在:台東区谷中1-4
  • 標識:「御府内備考」は三浦坂について、「三浦志摩守下屋敷の前根津の方へ下る坂なり。一名中坂と称す」と記している。三浦家下屋敷前の坂道だったので、三浦坂と呼ばれたのである。安政三年(一八五六)尾張屋版の切絵図に、「ミウラサカ」・「三浦志摩守」との書き入れがあるのに基づくと、三浦家下屋敷は坂を登る左側にあった。三浦氏は美作国(現岡山県北部)真島郡勝山二万三千石の藩主。勝山藩は幕末慶応の頃、藩名を真島藩と改めた。明治五年(一八七二)から昭和四十二年一月まで、三浦坂両側一帯の地を真島町といった。「東京府志料」は「三浦顕次ノ邸近傍ノ土地ヲ合併新ニ町名ヲ加ヘ(中略)真島ハ三浦氏旧藩ノ名ナリ」と記している。坂名とともに、町名の由来にも、三浦家下屋敷は関係があったのである。別名の中坂は、この坂が三崎坂と善光寺坂の中間に位置していたのにちなむという。
  • 魅力ポイント:民家と墓に挟まれた、ひっそりした佇まい。ちなみに、この坂の途中に「ねんねこ家」(nen-nekoya | Welcome to Another World)という猫がいる店を偶然にも発見し、猫Tシャツを購入してしまった。
  • 残念ポイント:勾配が物足りなく、ストレートでうねりが無い。
  • 総合評価:★★★☆(5つが最高)