これジャンCD(第4回)

kouji962007-09-24

長らくご無沙汰の「これジャンCD」企画、第4弾の今回は、最近良く聴く本田竹広の2枚組大作「Now on the Blues」です。本田竹広は、過去にも何度か紹介しているけど、日本人ジャズピアニストで、残念ながら2006年1月に60歳で他界されています。
初めて本田さんのことを知ったのは、たまたまジャズが見たくてフラリと行った吉祥寺「Sometime」でのこと、一人で見に行ったところ、隣に小汚いオッサン(まるで浮浪者みたい)が座っていて、すでに酔っ払っている雰囲気。隣でクダを巻かれ、最悪だー、などと思っていたところ、突然そのオッサンがピアノの前に座り演奏を始めた。このオッサンが本田竹広だった。演奏前には神に祈りを捧げ、まるで何かが取り憑いたかのような演奏で、あっという間にその世界に引き込まれた。それ以来、何度となくライブを見に行った。
この「Now on the Blues」は、本田竹広脳出血より奇跡的に復活し、復活第1弾となったアルバム。1曲目の「Phenix」からテンションMAX、息子である本田珠也のドラムが熱い。個人的には3曲目「Everything happen to me」〜4曲目「Body and soul」の静か目の演奏が最近は気に入ってます。「Everything〜」は、仕事で疲れた時に聴くと、ジンワリと染み入ってきて、かなり癒される。「Body〜」では、イントロより徐々に精神が研ぎ澄まされてきて「アー!」と叫ぶ声が生々しく収録されていて、この辺に本田竹広のスピリットが垣間見える。良く聴くと、結構アラが目立つところなどもあるけど、そういう細かい点にこだわるのではなく、本田竹広のスピリットを聴く。これがこのアルバムの正しい聴き方だろう。

Now on the Blues

Now on the Blues