植松電機

植松電機という会社をご存知だろうか?

自分も今日までは知らなかった。この会社は、北海道の赤平市というところにある会社なのだが、この会社がすごいのだ。今日は、セミナーで、この会社の専務であり、カムイスペースワークスという宇宙開発をやっている会社の社長である、植松務さんの話を聞いてきた。

まず、驚くのが、北海道の片田舎で、宇宙開発をやっているということだ。この人の経歴が面白い。

  • 小学生の頃から電卓を使って紙飛行機を設計し、体育館の端から端まで飛ばすようなものを作っていたが、のめりこみ過ぎて学校の成績は最低。
  • 大学進学も無理と言われたが、何とか地元の大学に進学することができた。大学での授業は、小学校から自分が取り組んでいた紙飛行機の設計(いわゆる流体力学)でやっていたことと同じで、高校まで最低だった成績が、大学で急に優等生になった。
  • 名古屋の宇宙開発の会社に就職し、戦闘機・新幹線・宇宙船などの設計を手がける。5年間勤めた後、実家に戻り、植松電機の仕事を手伝う。
  • 植松電機は自動車整備などを行っていたが、徐々に仕事が無くなって来た。その暇な時間を利用し、リサイクル用マグネットの開発を行い、日本でほぼ100%のシェアを得ることになる。
  • 植松電機の事業が波に乗り、元々の夢であった宇宙開発に乗り出す。音速を超えるロケットや、超低重力装置(世界に3台)、磁力で向きを変える人工衛星、などの開発を行っている。

セミナー中に、心に残ったことは↓。

  • 宇宙開発を始めたのは、多くの人に「どーせ無理」と言われた言葉を無くすため。「どーせ無理」で、多くの人はあきらめることを知る。「どーせ無理」で人にあきらめさせることは、その人を殺すことと同じ。
  • 「どーせ無理」と言う人からは何も生まれない。「だったらこうしたら」と言う人が新しいものを生み出す。あきらめないことで思いは実現する。
  • 初めてのことを自分で実行すること。お金を払って人にやらせると、成果は出ても自分には何も残らない。自分でやるとノウハウとお金がついてくる。
  • お金を手元に残すな。お金は突然価値が無くなることもある。それよりは本を買って読み、知識を残す。知識はなくならない。
  • 夢と仕事は両立できる。夢は大好きなこと。仕事は社会のために役立つこと。

今日は、セミナーを聞いていて、感動のあまり泣いた。これははじめてのことだ。こうやって書いても、植松さんの思いは伝えきれないので、機会があれば、ぜひ話を聞いてみたらよいと思う。事前に話をすれば、小型ロケット打ち上げや、ロケットエンジンの点火を見せてくれるらしい。今後は、赤平に3億円で13万平方メートルの土地を買ったので、そこで学校を開くことを考えているようだ。ぜひ、北海道を訪れた時は、遊びに行ってみたい。

↓でダイジェスト版のプレゼンを見ることが可能。